小説・物語

永遠の恋人

あきら

「大学卒業したら、一緒に住もうね。」

「僕が就職して、安定したら、結婚しよう。」

「子供は、女の子と男の子の二人がいいね。」って、何度も何度も話したね。

一緒にいた時間が長すぎて、いつの間にか、君が傍にいてくれること、当たり前になってしまってた。

急に忙しくなった僕は、ろくに連絡しなかったから、寂しがり屋の君に、たくさん辛い想いを、させてしまってたよね。

もう嫌だとか、なんだかんだ言ってても信じてついてきてくれる、君に安心しきってしまってたんだ。

二人なら大丈夫って、勝手にそう思い込んでた。

あの日も、自分のことで精一杯な僕は、君からの連絡がないこと、気にも止めてなかった。

3日後さすがに、ちょっと心配になって、メールしてみたけど君からの返信は、なかった。

焦った僕は、連絡出来なかった言い訳を用意して、君に電話したんだ。

今まで、何度となく繰り返してきた、このやり取り。

ただ一つ、いつもと違ったことは、電話に出たのが君じゃなかったこと。

君が事故で、もうこの世にいないって、その時はじめて聞かされた。

意味がわからなくて、胸のあたりがザワザワして、頭の中が真っ白になった。

今でもまだ、信じられない。

そのうちまた、君からメールがくるんじゃないかって。

買ったばかりの、ペアリング。結婚するまで、これが最後って約束したね。

透き通った白い指に、よく似合ってた。

昨日、二人の出会った思い出の場所に、埋めてきたよ。

あの頃に戻れたら、どんなにいいかって思う。

また同じ結果が待っていたとしても、僕は何度でも君に出会う。

そして何度でも、君に恋をする。

いつかまた君に、会えるなら、あの眩しい笑顔で笑ってほしい。

その日まで、さよなら愛しい人。

僕が、はじめて心から愛した、たった一人の恋人。

ありがとう。

君に出会えて、本当によかった。

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